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朝倉摂《更紗の部屋》1942年 顔料、紙 練馬区立美術館蔵朝倉摂(あさくら せつ)は、昭和から平成にかけて活動した画家・舞台美術家だ。1922年、彫刻家・朝倉文夫の長女として生まれた朝倉は、17歳より日本画家の伊東深水に師事、モダンな人物像を洗練された色彩感覚で描き、若くしてその才能を発揮した。
「ハムレット」舞台写真(演出:蜷川幸雄) 1978年戦後は、やベン・シャーンといった海外作家の研究を通して、新しい絵画表現を模索。炭鉱や漁村の労働者を繰り返し取材し、1960年の安保闘争などの社会問題に対峙するなかで、演劇やデザインをはじめさまざまなジャンルの芸術家との共同制作の可能性に着目、60年代半ば以降は舞台芸術を中心に活動するようになる。
朝倉摂『スイッチョねこ』原画(作:大佛次郎) 1971年 アクリル絵具、イラストボード 大佛次郎記念館蔵また、小説や絵本の挿絵にも取り組み、大佛次郎作『スイッチョねこ』などを手がけた。
朝倉摂《日本1958》1958年 顔料、紙 福岡市美術館蔵企画展「生誕100年 朝倉摂」は、朝倉摂の活動の全貌に迫る、初の本格的な回顧展。戦前の《更紗の部屋》や《歓び》、戦後の《働く人》や《日本1958》、《1963》など、これまでほとんど知られていなかった絵画作品約40点を一堂に集めて展示する。
朝倉摂《「にごり江」舞台下図》(演出:蜷川幸雄) 1984年 個人蔵また、「ハムレット」や「にごり江」をはじめ、朝倉が手がけた代表的な舞台美術の模型やデザイン画のほか、『スイッチョねこ』や『三月ひなのつき』などの絵本の原画も目にすることができる。展覧会概要企画展「生誕100年 朝倉摂」